低用量ピル(OC:oral contraceptives)とは、女性ホルモンが含まれている経口避妊薬です。
避妊の他、生理痛・生理不順・PMS・子宮内膜症・ニキビなどの症状を改善するはたらきもあります。
低用量ピルとは?
低用量ピル(OC:oral contraceptives)とは、卵胞ホルモンと黄体ホルモンの2種類の女性ホルモンのから作られている薬剤です。
1日1回服用することにより排卵を抑制し、子宮内膜の増殖も抑えます。
低用量ピルは、コンドームよりもはるかに高い避妊効果があり、正しく服用すれば、100%確実に避妊できます。
低用量ピルの服用によって月経周期が一定になるため、スケジュールが立てやすくなるといったメリットもあります。
その他、生理痛や生理不順、PMS(月経前症候群)、子宮内膜症、ニキビの改善など、様々な嬉しい効果があります。
低用量ピルの効用
- 生理不順の改善
- 生理痛の軽減
- 生理の経血量過多の軽減
- 多毛症の改善
- 大人ニキビの改善
- 肌荒れの改善
- 子宮筋腫の予防
- 子宮内膜症の進行抑制と軽快
- 子宮体ガン、卵巣ガンの予防
- 安全で確実な避妊
低用量ピルの料金
低用量ピル
(1シート)
3,000円
(税込3,300円)
初めてご来院の方は、初診料2,200円がかかります。
低用量ピルの服用方法
低用量ピルは、1日1回1錠を、毎日だいたい同じ時間に服用します。飲み忘れないことが大切ですので、あなたの生活習慣に合わせて習慣化するようにしましょう。
【飲み忘れてしまったら】
1日だけ服用を忘れてしまったら、気付いた時にすぐ前日分を服用し、その日の分はいつも通りに服用します。
2日以上続けて服用を忘れてしまったら、そのシートの服用を止めて、次の月経から新しいシートで再び服用を始めます。
低用量ピルの種類と避妊効果
低用量ピルは、【月経初日から服用を始めるもの】と【月経が始まった最初の日曜日から服用を始めるもの】の2種類があります。
【月経初日から服用を始めるもの】は、その日から避妊効果があります。
【月経が始まった最初の日曜日から服用を始めるもの】は、1周期目に限って、服用し始めの最初の1週間は他の避妊法を併用する必要があります。
低用量ピルを続けて服用している限り避妊効果は続きます。
低用量ピルの服用期間
低用量ピルは長期的に、たとえば20歳から40歳まで服用を続けることも可能で、避妊が必要であれば服用期間に制限はありません。
服用している間は定期的に検診を受けることをお勧めいたします。
低用量ピルの副作用は?
- 悪心、嘔気
- 乳房痛、乳房緊満
- 頭痛、片頭痛、頭重感
服用し始めて数日間は吐き気やむかつき、頭痛、むくみ、乳房の痛みなど、妊娠初期に似た症状が起こることがあります。
体が慣れるまでの一時的なもので、多くの場合数日でおさまります。ホルモンが安定すれば、不快な症状はなくなります。
当院のピルの場合、実際に副作用を感じる方は非常に少なく、ほとんどの方は何も変化はありません。
- 血栓症
海外の報告では、静脈血栓症の発症頻度は、ピル非服用者1万人あたり1~5人、低用量ピル服用者は3~9人となっています。
しかし、ピルを服用していなくても妊娠中は5~20人、分娩後12週間では40~65人と報告されており、ピル服用中よりも妊娠出産後の方が高リスクです。
【ピルの服用に際して血栓症のリスクになる方】
肥満
静脈血栓症のリスクは、BMI25以上で2倍、30以上で5倍に上がります。
喫煙
年齢と喫煙本数に比例して静脈血栓症のリスクが上昇します。35歳以上で1日15本以上の喫煙習慣のある方は禁忌になっています。
飛行機や車での長時間の移動
飛行機に限らず、列車や自動車の移動でも、座席に長時間座っているとエコノミークラス症候群が起こります。
低用量ピルを服用できない方
低用量ピルは女性ホルモンが主成分のため、乳ガンなど女性ホルモンに由来する病気にかかっている方やかかったことのある方は服用することができません。
また、ピルの成分であるエストロゲンに血液を固まりやすくさせる特性があるため、血栓症のリスクが高くなる可能性のある方も服用できません。
- 重い持病のある方
- 原因不明の不正出血のある方
- 高血圧の方
- 静脈血栓症などの病気にかかったことがある方
- ひどい偏頭痛のある方
- 35歳以上で1日に15本以上喫煙される方
- 乳ガン、子宮体ガンの疑いがある方
またはかかっている方 - 妊娠中、出産後6週間以内、授乳中の方
よくあるご質問
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- 低用量ピルとは何ですか?
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低用量ピルはエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)という2種類の女性ホルモンが配合されているお薬です。
排卵を抑制してくれるので、飲み忘れなく正しく服用すれば100%の避妊効果が得られます。
低用量ピルを毎日服用することで、ホルモンバランスが整いますので、PMS(月経困難症)の改善が期待できます。
この他、生理不順の改善、生理中の出血量が減る、生理周期が一定になることで予定が立てやすくなる、ニキビや肌荒れの改善など様々なメリットがあります。 - 低用量ピルの1相性と3相性の違いは?
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低用量ピルは黄体ホルモンと卵胞ホルモンの配合比によって2種類に分けられます。
1相性はホルモンの量が一定に入っており、生理日をずらしたい等の希望がある場合は1相性をお勧めします。
3相性のお薬は、ホルモンの量が3段階に分かれており、自然なホルモンバランスの変化に近くなっています。 - ピルは何歳から何歳まで服用できますか?
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世界保健機構(WHO)は生理が始まってから使用可能としており、10~12歳くらいから、閉経近く50歳まで服用可能です。
ただし、年齢が上がるにつれ血栓症のリスクが上がることから、医師によっては40歳以上になると低用量ピルを中止するように説明される場合もあります。 - 長期間、低用量ピルの服用を続けてもの問題ないですか?
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長期間低用量ピルを飲み続けたとしても、大部分の女性にとって安全であると報告されています。
ピルを服用中はおおよそ半年に一度を目安に、定期的な医師の診察を受けて、問題がなければ服用を継続することができます。
中用量ピル(プラノバール)は吐き気や頭痛などの副作用が出る確率が高くなります。特に車や飛行機に乗る旅行は血栓症に注意が必要です。 - 低用量ピルは飲んだ日から効果を発揮しますか?
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低用量ピルは、【月経初日から服用を始めるもの】と【月経が始まった最初の日曜日から服用を始めるもの】の2種類があります。
【月経初日から服用を始めるもの】は、その日から避妊効果があります。
【月経が始まった最初の日曜日から服用を始めるもの】は、1周期目に限って、服用し始めの最初の1週間は他の避妊法を併用する必要があります。 - 昨日、低用量ピルを飲み忘れましたが、どうすればいいですか?
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1日の飲み忘れの場合は、気づいた時点で飲み忘れた分(1錠)を服用し、その日の服用時間に再度1錠服用してください。
- 2日以上低用量ピルを飲み忘れましたが、続けて服用しても問題ないですか?
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2日以上連続して飲み忘れがあった場合は服用を中止し、次の生理を待って再開してください。